Patagoniaと聞くと、アウトドアウェアを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかしそのPatagoniaには、もうひとつの重要な取り組みがあります。
それが、2012年に始動した「Patagonia Provisions(パタゴニア プロビジョンズ)」という“食”のプロジェクトです。
Patagonia Provisionsは、環境再生型農業や持続可能な漁業を支援しながら、
「食べることが地球を守る行動につながる」という思想のもと、持続可能な食品を世界中に提供しています。
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オーガニック小麦を使ったパスタ
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環境負荷の少ない方法で獲られたシーフード
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土壌を豊かに保つ農法で育てられた穀物から作られたビール・ワイン・日本酒 など
このようなPatagonia Provisionsの理念と、廃棄素材に新たな命を吹き込むMafiabagsの哲学が共鳴し、2017年からコラボレーションが始まりました。
アップサイクル製品に込められた“手間”と“制限”
Mafiabagsでは、Patagonia製の着古されたジャケットやセイルクロス、使い終わったクライミングロープなど、役目を終えた素材をアップサイクルして製品化しています。
しかし、これらの素材は新品とは異なり、状態もサイズも形もバラバラです。
そのため、まず行うのは徹底的な洗浄。
塩分、油分、汚れをしっかり落としたあと、素材の劣化や傷みをチェックし、使える部分を丁寧に裁断します。
この工程はすべて手作業で行われ、通常の製品づくりよりも時間と労力がかかります。
さらに、使い古された素材が常にあるわけではないため、在庫に波があり、大量生産ができないという制限もあります。
この制限こそが、“一点もの”としての価値やストーリーを生み出しています。
コラボレーションアイテム紹介
① Farmers Tote(ファーマーズトート)
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用途:市場やアウトドアなどで活躍する大容量トート
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特徴:マチのある形状で収納力抜群。肩掛け・手持ち両方に対応し、両サイドに便利なポケット付き。付属のポーチも嬉しいポイント
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素材:Patagoniaのナイロンジャケット+寄付されたセイルクロス
② Mini Tote(ミニトート)
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用途:日常使いにぴったりなコンパクトサイズのトート
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特徴:財布やスマホなど、ちょっとした外出にちょうどいいサイズ。切り替え部分にはPatagoniaのジャケット生地を活用
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素材:ヴィンテージのジャケット+セイル生地
③ Full Apron(フルエプロン)
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用途:キッチン、ガーデン、キャンプなど幅広く活躍
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特徴:Patagoniaジャケットのポケットを活かしたデザイン。肩・腰のストラップにはクライミングロープを使用
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素材:Patagoniaジャケット+帆生地+クライミングロープ
④ Obento Bag(オベントバッグ)
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用途:ランチバッグや小物入れとして
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特徴:ロールトップ式で開閉可能。上部はセイル、底部にはウェットスーツ生地を使用し、防水性も◎
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素材:ユーズドのカイトセイル+Patagoniaのウェットスーツ
⑤ Everyday Tote(エブリデイトート)
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用途:通勤からレジャーまで幅広く使える万能型トート
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特徴:軽量・耐水・すっきりしたデザイン。使いやすさと美しさを両立
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素材:Patagoniaのジャケット、セイルクロス、ウェーダー生地をミックス
再利用から「再価値化」へ
Patagonia ProvisionsとMafiabagsの取り組みは、単なるリサイクルにとどまりません。
過去に役割を持っていた素材に、もう一度意味と使い道を与えるという点で、リサイクルではなく“再価値化=アップサイクル”を目指しています。
ウェアとして、帆として、命綱として使われてきた素材が、
バッグやエプロンとしてまた誰かの生活を支えていく——
そんな循環と共感のストーリーが詰まったコレクションです。
おわりに
このプロジェクトは、サステナブルな生き方に対して「難しさ」ではなく、「楽しさ」や「かっこよさ」を感じさせてくれるものです。
Patagoniaが食を通して問いかけるように、
Mafiabagsは「持ち歩くもの」を通して、私たちに問いかけます。
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そのバッグは、どこから来た素材?
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誰が、どんな想いで作った?
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なぜ、“新品”じゃなくてもいいのか?
この問いに向き合うことが、未来への選択になる。
Patagonia Provisions × Mafiabags のコラボレーションは、そのきっかけを与えてくれるプロダクトです。